無農薬天水米「儀明の桜」

   日本での販売、使用が許可されているネオニコチノイド系殺虫剤やグリホサート系除草剤は日本では普通に販売され使用されています。一方、予防原則(“疑わしきは規制や禁止を”)をとる EUにおいてはこれら薬剤の使用禁止や規制強化が広がっています。トロノキ ファームが耕作する儀明の棚田では、これらの殺虫剤や除草剤を含む一切の農 薬を使用しません。化学肥料も使用しません。また、田んぼの水は天水(湧き 水、雨水、雪どけ水)のみ。河川からの灌漑をしません。なお、主要水源とし て利用している湧水の水質検査の結果は「飲適」、つまり飲める水です。

   こうした安心安全にこだわるためにはたくさんの人手と費用がかかります。 しかも、私達が耕作しているのは百年以上前に開拓された姿を今に残す「棚田」。 田んぼ一枚一枚のかたちや大きさが異なり、田んぼ毎に段差があるため生産効 率は更に低下します。このため、無農薬無肥料の棚田では、除草や畦の草刈り をはじめとした年間の作業に多くの時間を要する一方で、病害虫防除と水管理 が難しく、単位あたりの米の収量は慣行農法による平地の田んぼの半分以下、 労働生産性は数分の一程度と言われます。

   収穫の後一部の米はさらに「はさかけ」と呼ばれる天日干しを行い時間をか けて水分量を調整します。

きれいな水、ミネラル豊富な土、降り注ぐ太陽、地力を回復させる雪。儀明の 棚田は里山のビオトープ(生物生息空間)。人間を含むあらゆる命を育み再生 する場所であると同時に、景観を楽しむ庭園であり、共感する仲間が集う公園 でもあります。

はすかけの写真

どぶろく「コンポジション」

  日本古来の酒であるどぶろくは、その庶民性からか 酒のヒエラルキーの底辺に位置付けられてきました。

なぜだろう… 美味しいのになぁ…
その疑問が始まりでした。

  2020年に無農薬天水米「儀明の桜」を初収穫、2021 年にどぶろく経済特区を利用して醸造免許を取得。自 分達が作った米を使い、トロノキハウス内の小さなマ イクロブルワリーで醸造を始めました。

  初仕込は残雪眩しい早春。その後、季節毎の微 妙な味の変化を確かめるため、夏秋冬に仕込みました。 清酒では恐らくやらない「夏仕込」にも敢えて挑戦! 爽やかな仕上がりはちょっと驚きでした。12月から3 月の仕込みでは蔵出し後、天然の雪室で追熟します。

  名前はComposition。「コンポジション」とは構成、作曲という意味です。 儀明の棚田は大小様々な田んぼが構成する小宇宙。ロゴにあしらった13の図 形はトロノキファームが耕作する13枚の田んぼを表しています。敬愛する画 家モンドリアンへのオマージュでもあります。そこに散りばめた4つの色、 アースブルーは水、オレンジは太陽、アースカラーは土、そして白は…当地の たからもの、雪…

  美しい棚田、無農薬天水米儀明の桜、そしてDoburoku Composition…
世界中の人に知ってもらいたい。そんな想いからラベルは英語にしました。

  人と自然が共生する場「人然処®/Jinen-jo」。そこで生まれる米から醸す 美発泡生どぶろく。和食にもあうスッキリとした味です。

  なお瓶詰め後も瓶内発酵が続くので宅配ができません。なので、当面はトロ ノキハウスでの限定販売となります。なお、ご注文をいただけば特別仕込もし ます。世界にひとつのCompositionを是非お試しください。(500mlボトル入 4,400円。特別仕込は8本単位でお請け致します。)